万博記念公園

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ブラジル館

参加者

ブラジル連邦共和国

テーマ

ブラジルの今日と明日を示すもの

建物

 ブラジル国内で公募し、当選した作品の設計によるもので、“館”というより“広場”といった感じの展示館になっていた。観客はどこからでも自由に入館できる構造で、その外壁を設けない空間は、世界中の国から移民を受け入れるという、ブラジルの自由と開放性を強調したものであった。
 長さ50メートル、幅31メートル20の大屋根が三つの小山と、一つの十字架構の柱で支えられ、その下が広い空間になっていた。地下の東側は展示場、西側は管理スペースで、地上の空間部分は、三つの小山を囲んでリズミカルな起伏をつくり、そのウェーブが大屋根周辺下端の曲線とうまくマッチしていた。床面はブラジル国旗の色と同じ青、緑、黄、白に塗り分けられ、リズム感を盛り上げた。大屋根の上は、2メートル平方に一つの割りで40センチメートル角の天窓をつけてガラスを張ってあり、この多くの天窓から人工光線で強められた太陽の光りが降り注いでいた。
 地下の展示場と管理スペースは、ともに鉄筋コンクリート造、展示場は中間にスロープがあって上下両部に分かれていた。

ブラジル館

展示

 地上、地下の二つの展示部門に分かれ、地上展示ではブラジルの「社会と産業の発展」が、地下展示では「歴史」と「未来」が紹介された。
 まず、観客の“いこいの場”を兼ねた地上展示部門の広場では、パネル板が迷路のように並べられ、世界一の生産量を誇るコーヒーの生産過程や、中央・南アメリカ一の工業国へ躍進した近代化への発展ぶりを中心に、現在のブラジルの姿が説明された。写真やサンプルなどによって、綿花やジュートなどの農産物、工業製品などブラジルの特産品を紹介し、観客に“豊かな国土”を印象づけた。
 また、約 10 年前に築かれた新首都ブラジリアの全容も披露された。この新首都は、人の住まなかった高原のまん中に建設した超近代建築の都市で、“若い国”ブラジルの意気込みを表わしていた。
 さらに、大きな夢を求めて世界の各地からブラジルに集まった移住者たちの姿が紹介された。この中で特に多い日系人の活躍ぶりが披露され、日本人観客の関心を集めていた。
 地下展示場は「歴史」と「未来」の展示コーナーに分かれ、「歴史」のコーナーでは、ブラジルが多民族の移住者の開拓によって発展した歴史が、写真やパネルで紹介されるとともに、金属の装身具や美術品、彫刻などが展示された。
 一方、「未来」のコーナーでは技術革新と工業化の夢を描き、日本と合弁の製鉄所などが紹介された。さらに映画コーナーではブラジル国民と社会を紹介する映画とスライドが上映され、また屋外では熱っぼいラテン舞踊が披露された。

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