万博記念公園

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タカラ・ビューティリオン

参加者

タカラグループ

テーマ

美しく生きる喜び

建物

 地下 1 階、地上 4 階建てで、鋼管とステンレスカプセルの結合により構成された独創的な建築で、観客は各カプセルの展示室を巡るようになっていた。
 建築の主構造には、鋼管と角に丸みをつけた正六面体のステンレスカプセルの結合によって構成されたユニットが用いられ、屋根、床、窓の部分もそれぞれパネル化されていた。
 この建築は工場ですべて製作され、現場では 7 日間というスピードで組み立てられた。一組の鋼管ユニットをクレーンで吊り上げ、スペースに合わせてボルトで締めるという簡単な作業で組み立て、必要に応じてレイアウトの自由、増減の自由、さらに質の選択の自由など無限の可能性を持つものであった。そうした意味で、これは未来都市、未来建築の新しい考え方を示したもので、建築の“新陳代謝”を実現したものであった

タカラ・ビューティリオン

展示

 展示は大きく分けて地下、地上、空中の 3部門からなっていた。地下部門は劇場と広場で構成され劇場には回転、上下する 48 の座席があり、この座席が緩やかに 2メートルの高さを上下する間に、観客はレーザー光線、音楽に包まれ、天井の 12 個の球形スクリーンに映し出される映画を観賞した。この演出構成は、全部自動制御装置によるものであった。ここで流された音楽は、電子技術を使った一柳 慧の新しい音楽で、クラシックをはじめポピュラー、世界各国の様々な伝統音楽などが、エレクトロニクスのメディアを使って、自然音、機械音、現実音、ことばなどとミックスする演出が試みられた。
 地下の広場は天井、壁面、床から花弁のようなイスがキノコ状に出た休息の空間で「イスの広場」と呼ばれた。地上では入口の両側にシンボルタワーが立ち、その先端のプラスチック・カプセルの中には、宇宙飛行士とかぐや姫の人形が入っていた。人形は一見胎児のように見え、絶えず上下に動いて、“人間そのものの誕生”を象徴化していた。
 地上 1 階は「楽しい生活フロア」、2 階は「未来のおしゃれフロア」で、ユニットを素材とした未来の家庭生活や、未来のおしゃれへの夢が、環境音楽、イラストレーション、映像によって演出された。イラストは横尾忠則、照明は石井幹子であった。
 3 階は、回転ステージを備えたショーフロア。最上層の 4 階は休憩フロアで、貴賓室、レストサロンのほか、キッチンユニット、バス、トイレユニット、化粧室ユニットなどが、未来建築への提案として展示された。
(この館のプロデューサーは黒川紀章であった)

「楽しい生活フロア」

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