ビルマ館

テーマは「文化遺産と近代化への歩み」

建築

7層の塔のついたカラウエ様式王宮建築を乗せた竜王船の形の展示館で、周囲に池がめぐらされ、池に竜王船が浮かんでいるように見えました。 竜王船は、ビルマで17世紀から18世紀の王朝時代に、王族が舟遊びや国内視察に使った双頭、双尾の竜を彫刻した双胴船で、展示館はこれを近代的手法で表現し、薫り高いビルマの文化をしのばせ、文化遺産を生かした展示品にもなっていました。建物は地階部分が鉄筋コンクリート造、主構造は鉄骨造、その他が木造で、木材はビルマ産材を使い、塔の部分などの装飾はビルマから送られてきた手工芸品でした。竜王船は竜頭の首から上が鉄板製、尾部の飾りはチーク材の彫刻、胴部分は鉄骨の上にプラスチック材が使われ、大部分がビルマで製作されました。 展示館のうしろには、別棟でビルマの田舎の伝統的な家を模したレストランが建てられ、川面に浮かぶ竜王船を眺めながら食事を楽しめました。レストラン棟は1階がレストラン、地下が調理室、従業員室になっていた。

展示

展示はビルマの文化遺産をただ過去のものとせず、近代化への歩みの基礎として生かしている姿を、建物と内部の展示品によって紹介していました。 中へ入ると正面にテーマと地図があり、その前の壁面に4枚の絵による「絵でつづるビルマ史」がかけられ、ビルマ人の過去から現代までの生活が説明されていました。 展示の最初は楽器で、金銀細工に宝石をちりばめた高さ約50センチメートルの豪華な「ビルマの竪琴(たてごと)」をはじめ、竹のシロホンなどが観客の興味をひいていました。次の木材展示にはチーク材や竹、竹の工芸品などがありました。 ホール中央には、ガラスケースに納められた古代の美術品や宝物が置かれ、手のこんだ逸品が揃っていました。さらに、たばこや綿などの農産物が並んだコーナーの隣は、呼びものの宝石コーナーで、幅約1メートル20センチ、高さ70センチメートル、厚さ20センチメートルの巨大なヒスイの原石が人々の目を見張らせました。このほか高さ約20センチメートルのヒスイ製仏像2体、親指ぐらいの大きさでピンク色の天然真珠、金、銀、ゾウゲなどの細工品、ルビー、サファイア、ヒスイをまぜた豪華なアクセサリー、金銀をちりばめた王家のイス、テーブルなどが展示されていました。 続いて鉱物、鉱石などが並び、最後のコーナーは織物類の展示で、展示物によっては手で触れることもでき、触覚による鑑賞もできました。また売店では民芸品なども売っていました。 レストランは政府直営で、客席は80席。代表的な料理には、チキンやビーフのカレー、フライドチキンと焼きめし、ビルマ風のそば「カウクスウェ」などがありました。マンダレー・ビールやビルマ風の砂糖菓子「シュエ・ジー」も賞味できました。

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