万博記念公園 あじさい祭「あじさいの俳句募集」入選作品紹介
2025年6月7日(土)~ 29日(日)に開催した『あじさい祭』の期間中、「あじさいの俳句」を募集(募集期間6月7日~15日)し、応募総数152句の中から選ばせていただきました入選作品20句を紹介します。
入選句につきましては、6月21日(土)~29日(日)まで、あじさいの森付近園路沿いに掲出しております。また、現地掲示と当ホームページ以外に、SNSでも紹介いたします。
皆さま、多数のご応募をいただきまして誠にありがとうございました。
入選句と講評(選句・講評協力:吹田俳句連盟 山田夏子先生)
■植替へて力を明日に濃あぢさゐ(菊澤 さち子)
【講評】
今年、あじさい園は若返りを果しました。その若木につけた花を、現在開催中の二〇二五年万博のテーマ、命輝く未来を思わせる「力を明日に」のフレーズで表現されました。
■紫陽花や毱つくごとくをみなゆく(森田 忍)
【講評】
紫陽花の一つ一つを慈しむように触れて行く女性、それを見ている作者にも楽しさが伝わります。何気無い動作のみを詠んで花の美しさ、多さを際立たせました。
■木琴の時報は正午濃あぢさゐ(小井川 和子)
【講評】
吹田市万博記念公園正午の時報は木琴の音色であるとか。深みのある和らかな木琴の音によって濃紫陽花に奥行をもたらしました。「俳句は出合い」という言葉そのものです。
■星からの妖精の使者額の花(早瀬 恵美子)
【講評】
新しくなったあじさい園は数も種類もぐんと充実されていました。「星の妖精」も一役かって地上には無い造化をされたのかも。ロマンあふれる作品です。
■風音は森のささやき額の花(宮内 暁子)
【講評】
多くの方が紫陽花に雨を配された中、風音に焦点を合わされました。風音を「森のささやき」と擬人化し額の花にささやいているとも、別のささやきとも取れます。
■守りゐる森の入口白紫陽花(筒井 惠美子)
■紫陽花も千里の賑はひ五十五(荒賀 裕)
■額の花粟粒ほどの莟つけ(稲岡 みち子)
■なかんづく紫陽花白のすがすがし(池下 能子)
■哀しみは時が癒せり額の花(穴吹 すみ)
■踏み分けていつか独りや山あぢさゐ(石川 恭子)
■紫陽花やじゃんけんぽんで持つ鞄(真鍋 明子)
■紫陽花やエキスポロード空青く(井澤 多紀子)
■切り戻し幼く映る七変化(渡部 えみ)
■太陽の塔の晴れ間の濃紫陽花(谷本 房子)
■水音に毬の弾みて濃紫陽花(木村 美恵子)
■葉にも移りしくれなゐややまあぢさゐ(萩原 美智子)
■水色は水の音して濃あぢさゐ(青木 美津子)
■いざ逢ふとうつむくばかり七変化(近藤 晃代)
■濃紫陽花影を落とせば水匂ふ(北西 恵子)