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Photo:Sachiko Horasawa

西野逹
Tatzu NISHI

1960年、名古屋生まれ。1997年に「普段あまりアートに興味のない一般の人々」を観客と想定し、屋外に作品を設置するスタイルでヨーロッパで作家活動を開始。屋外のモニュメントや街灯などを取り込んで部屋を建築し、リビングルームや実際にホテルとして営業するなど、都市を舞台に、人々を巻き込む大胆で冒険的なプロジェクトで国際的に知られる。現在は東京とベルリンを拠点に活動。「シンガポールビエンナーレ」でのマーライオンを取り込んだホテル「The Merlion Hotel」(2011年)、フランスでの「ジャポニスム展」で発表された人間サイズの「A Doll's House」(2018年)、日本では別府の町全体に作品を点在させ都市を美術館化する個展「西野達in Beppu」(2017年)などがある。「第68回芸術選奨文部科学大臣賞」を受賞。

作品説明

日常のトンネル

この作品「日常のトンネル」では、乗用車やバスなど普段使われる移動手段と、リビングルームや洗面所といった見慣れた部屋という2つの平凡な場所を作品に登場させ、それを交互に出現させる。公共とプライベート、屋外と屋内が絡まり合い、日常的な風景が異質なものになってゆく。3台の車と3つの部屋は、渡り歩き不思議な経験をした当時のパビリオンたちに重なる。大阪万博を通して日本は新たな時代を迎えたが、あなたの日常もこのトンネルを通過後に全く違って見えるかもしれない。このような体験をどう捉えるかは、あなたの感性次第なのだ。